マイセン磁器を代表するカテゴリー、デコラティブ・コンポート
マイセン磁器創成期から存在しており、その時代の最高技術を盛り込んだ作品群
超高額作品が存在することでも有名なカテゴリーです。
そのデコラティブ・コンポート作品群から
「ダンシング・アラウンド・ア・ツリー」
新古典主義初期のフィギュアコンポート、正に”これぞマイセン”という逸品です。
※上段は実際の作品、下段白黒写真は「Meissen Collector's Catalogue」からの抜粋です。
当作品の生い立ちはとても珍しく、通常デコラティブ・コンポートはその時代のマイスターモデラーが原型を制作し、固有のモデルナンバーが存在いたします。
当該モデルも推定1760年、時のマイスターモデラーであるヨハン・ヨアヒム・ケンドラー(Johann joachim Kaendler 1706-1775)が原型制作を担当したのですが、初期の制作は人形のみだったようです。
その人形も同じモデルナンバーで2種類の方が存在し、子供たち4人が手を繋いで踊っている、いわゆる通常のモデル。
次に中央に木を配した、正にタイトル通り(フォーチルドレン・ダンシング・アラウンド・ア・ツリー)のモデル。
そして最後に最も大きく高額なデコラティブ・コンポートのフォーチルドレン・ダンシング・アラウンド・ア・ツリーモデルです。
今回入荷作品はこのデコラティブ・コンポート、最も大きく、高額なモデルです。
更に当該作品は元マイセン磁器販売店併設ギャラリー展示作品で最高レベルの保存状態、推定19世紀後期の制作にもかかわらず、なんと完全体という希少性を有しています。
デコラティブ・コンポートをご存知の方には説明不要かと思いまうが。これは奇跡的なことです。
作品はその大きさから3ピースに分解でき、そのカシメ金具まで当時のオリジナルの物で、このレベルの状態のものは今後入荷できないと思われます。
乞うご期待!
2/15 写真を更新いたしました。実際の作品。
ヨハン・ヨアヒム・ケンドラー(Johann joachim Kaendler 1706-1775)
彫塑家 マイセン磁器マイスターモデラー (マイセン製作所には1731年から1775年まで従事) 宮廷彫刻家のベンジャミン・トマエ氏の弟子となり王家の宝庫である緑天井(The Green Vaults)の彫刻制作に6年間携わります。 この時の仕事ぶりが評判されて、1730年には宮廷彫刻家の称号を預かりました。 翌年の1731年アウグスト強王のご指名でマイセン製作所のモデラー(原型製作者)として採用されます。 強王の夢の磁器の城、日本宮に飾る為に、短期間で多様な動物彫塑を作りました。 彼の彫塑は個性的でダイナミックでありながら優美で自然な美しさを持っており、天才的な才能を十分に発揮し、アウグスト強王にも高く評価されます。 しかし、彼の栄光も長くは続かず、最強のスポンサーであったアウグスト強王死後(1733年)は息子の3世には理解を得られず、得意な大型彫塑で等身大の王の騎士像製作を断念します。 強王死後のスポンサーは裕福な貴族。彼らからの注文で、様々なその新しいサービスセットの原型を作ります。 バロック様式、ロココ様式にも精通していた彼のサービスセットは貴族達からも賞賛を浴びます。
7/24 写真を更新いたしました。実際の作品です。