マイセン世界限定
毎年その年のテーマに沿ったリミテッドマスターワークとして極めて少数の作品が日本に輸入されることは広く知られております。
しかし、全ての作品が輸入されているとは限りません。
その中には実際には一般に販売されず、ドイツマイセン磁器友の会(Freunde des Meissener Porzellans)通称FdMPを介し、世界の名士たる上客のみに販売された作品なども存在いたします。
今回入荷作品は一般的には目にすることが出来なかった極めて稀有な作品
ケンドラー生誕300年を記念して制作された
Limitierte Meißener Kunstwerke 2006 "JJK" Christus auf Kalvarienberg
「カルヴァリの丘のキリスト 2006年世界限定 / JJK~ヨハン・ヨアヒム・ケンドラーエディション」
日本未発売作品、近日入荷予定です。
当作品は2006年世界限定25作、つまり25体しか制作されず、ごく少数が世界の名士やトップコレクターの手に渡ったのみで、残念ながら日本には輸入されていなかったようです。
マイセン世界限定の中でも屈指の希少価値を誇るプレミアムフィギュリンです。
カルヴァ二の丘で茨の冠をかぶり磔刑に処せられたイエス・キリストが描かれた磔刑図のフィギュリン。
キリスト教のみならず、この世で最も有名な宗教学的かつ歴史的な場面のモチーフです。
十字架上部には、「JNRJ~Jesus Nazareus rex Judaroum」(ナザレのイエス、ユダヤの王)と描かれております。
また、十字架の足元には悲しみに満ちたマグダラのマリアがキリストを仰ぎ抱え込むように柱に手を回しています。
丘には髑髏(しゃれこうべ)の他に、この事を書き留める伝記の天使が見られます。
原型制作年は1774年、もちろんケンドラーにより製作されたもので、その大きさは高さ約420mm以上にもなる大作となります。
極めて高額な作品ですが、高付加価値の逸品です。
乞うご期待!
8/16 写真を更新いたしました。実際の作品です。
ヨハン・ヨアヒム・ケンドラー(Johann joachim Kaendler 1706-1775)
彫塑家 マイセン磁器マイスターモデラー (マイセン製作所には1731年から1775年まで従事) 宮廷彫刻家のベンジャミン・トマエ氏の弟子となり王家の宝庫である緑天井(The Green Vaults)の彫刻制作に6年間携わります。 この時の仕事ぶりが評判されて、1730年には宮廷彫刻家の称号を預かりました。 翌年の1731年アウグスト強王のご指名でマイセン製作所のモデラー(原型製作者)として採用されます。 強王の夢の磁器の城、日本宮に飾る為に、短期間で多様な動物彫塑を作りました。 彼の彫塑は個性的でダイナミックでありながら優美で自然な美しさを持っており、天才的な才能を十分に発揮し、アウグスト強王にも高く評価されます。 しかし、彼の栄光も長くは続かず、最強のスポンサーであったアウグスト強王死後(1733年)は息子の3世には理解を得られず、得意な大型彫塑で等身大の王の騎士像製作を断念します。 強王死後のスポンサーは裕福な貴族。彼らからの注文で、様々なその新しいサービスセットの原型を作ります。 バロック様式、ロココ様式にも精通していた彼のサービスセットは貴族達からも賞賛を浴びます。