印象派花絵付の巨匠、ユリウス・エドゥアルト・ブラウンスドルフ(Julius Eduard Braunsdorf 1841-1922)による原画によって製作された、通称
「ブラウンスドルフの薔薇」
特大花瓶が近日入荷いたします
ユリウス・エドゥアルト・ブラウンスドルフ(以下ブラウンスドルフ)は19世紀後半に活動したマイセンのペインターです。
19世紀後半は西洋磁器にとって極めて重要な時代です。
自然や人物をありのままに描写しようとする写実主義にはじまり、光の動きの表現に重きをおいた明るい色彩が特徴の初期印象派が世に出ました。
細かい描写が主の写実主義で描かれたポートレイトや風景画等は需要も多く、磁器作品においてはネームド・ヴューを代表とする風景画や細密画が出現いたしました。
時同じくマイセン磁器においても双璧をなす新しい絵画技法の影響が現れてきます。
ブラウンスドルフ氏は若くしてマイセンで修行(1858年〜1862年)を積み、以降フラワーペインターとして働きながらマイセン美術学校で教鞭もとりはじめ、1900年には教授となり1906年の引退の年まで作品を残していきます。
同氏の描いた花は見た目も構図も写実的ではあるものの、あまり細部とらわれない大胆な筆致により輪郭線をつくらない、磁器絵付けの難技法である「ぼかし」の入った表現となっています。
同氏は磁器においてこのような花絵付けでいちはやく作品を残し、後に彼の名を冠してブラウンスドルフ様式の花絵付けと呼ばれるフラワーペインティング技法がマイセンで使われるようになりました。
代表として「自然主義」が挙げられますが、マイセン磁器を代表するマスターピースであり、花絵付けでは最高ランクの高額作品群です。
今回入荷作品はそのブラウンスドルフ様式花絵付けの中でも最も人気があり、最高位に位置する、通称「ブラウンスドルフの薔薇」
一目で特別な作品と分かる存在感があります。
また、ある一定の距離からその絵付けを眺めると、あたかも薔薇が浮き出して来るように見えるのがブラウンスドルフの薔薇の特徴です。
大きさも高さ約350mmと同氏作品の中では最大級の花瓶です。
技法や製作行程も非常に複雑である事、その為ペインターに極度の技量を要するため、ブラウンスドルフ様式の花絵はマイセンの中でも最高品位の作品と位置づけられています。
乞うご期待!