フリードリッヒ・エリアス・メイヤー(Friedrich Elias Meyer 1723-1785)1746年頃の原型作品「Hussar. Prince of Dessau」のアフターモデルと言われている「August III Sas~馬上のアウグスト三世像」
これぞマイセン人形とも言うべく絢爛豪華な王侯貴族文化を継承した大作
コレクター垂涎の作品が近日入荷いたします。
※上段写真は実際の作品、中段写真は原型となった「Hussar. Prince of Dessau」
下段はアウグスト3世の肖像画です。
この作品は出来た過程からして珍しい経緯の作品です。
原型とされる人形は上記白黒写真の「Hussar. Prince of Dessau~騎兵、デッサウの王子」で原型制作年は1746年、この当時のデッサウ王子となるとレオポルト2世 (アンハルト=デッサウ侯)がモデルと推測できます。
この翌年にレオポルト1世 が逝去したためレオポルト2世がデッサウ侯を引き継ぎました。
制作にあたったのは当時のマイセン磁器きっての人形造形師であったフリードリッヒ・エリアス・メイヤー(Friedrich Elias Meyer 1723-1785)が担当しました。
メイヤーはアウグスト3世(August III Sas 1696年10月7日-1763年10月5日)のお抱え人形師とも言われるほど王からの信頼が厚く、当時の王室や宮廷からの依頼において数多くの名作を輩出しています。
しかし、当該作品は王直接の依頼ではなくデッサウ侯によるもので、後の世においても王室宮廷以外による制作人形において、メイヤーの傑作の一つにあげられました。
同時代を生きたアウグスト3世もレオポルト2世もこの世を去って100年以上の後、このデッサウ侯モデルと言われる肖像が、あたかもその出来に嫉妬して乗っ取ったかの如くアウグスト3世となって生まれ変わったのですから、当時のマイセン磁器も面白いことを考えたものです。
実在した王侯貴族をモデルとして誕生したこの人形は、原型が(Kavallerie/騎兵またはMilitary)に属し、当作、アウグスト3世モデルはマイセン人形の特別なカテゴリー、雅宴(Gallant)に属しています。
このカテゴリーの殆どはヨハン・ヨアヒム・ケンドラー(Johann joachim Kaendler 1706-1775)制作されておりますが、アウグスト3世の勅命を受けた数体のみがメイヤーが制作を担当したと言われております。
その大きさも高さ約280mm、幅250mm前後となり雅宴人形(Galante Gruppe)最大級です。
しかも、ただ大きいだけではなく、驚くほど繊細な造形や細部の作りこみなど現在のマイセン人形にはない最高品位の造形で、特に今回入荷作品は上記写真のように絢爛豪華な彩色を施した個体です。
大きさ、迫力、優雅さ、豪華さ…どれをとっても一つ頭の抜けた大作で、隣に何を飾っても、目を奪われてしまうような強烈な個性とオーラが存在するマイセン人形です。
ご期待ください。
4/28 写真を更新いたしました。実際の作品です。