マイセンフラワーの高額ラインかつ最も有名な「ブーケ」
マイセンフラワーと言えば「これ」というぐらい有名な作品群ですが、その中において極めて珍しいデコレーションの「Verstreute Blumen und Insekten Galerie Kante "Déjeuné"」
通称「小ブーケ散しと昆虫 Gカンテ デジュネ」
19世紀の華、近日入荷いたします。
写真を見て頂けたらお分かりのように、まさにザ・オールドマイセン、古マイセン装飾食器という作品群です。
古マイセン装飾食器というと、このようなものを思い浮かべる方が多いと思いますが、実際は極めて貴重であり、殆どの方は美術書かインターネット画像でしか見ることはなく、実物を見る機会は皆無と言っても過言ではないくらい稀有な作品群です。
特に当作はデジュネという大型トレー付きペアセットで、高額ゆえバラにされて売られてしまうことが常の作品にとって、揃っていることは極めて珍しく、幸福なことであり、古マイセン食器類をお集めになている方の中でも玄人好みの方にとっては垂涎の作品と思います。
マルコリーニ期には既に技術が確立した古典カンテであるGalerie Kante/ガレリーカンテ、通称Gカンテにただのブーケではなく、Verstreute Blumen und Insekten/スキャッタードブーケと昆虫をこれでもかと豪華に散らした最高レベルのデコレーションです。
スキャッタードブーケは通常のブーケよりも格上とされ、昆虫付きがその最上位、昆虫の数が多ければ多いほど高額な取引をされます。
作行に関してもハウプト・ブルーメ、ドゥルヒツーク・ブーケ、ビンデ・ブルーメの鉄則を守り、花絵を簡素化するのではなく、凝縮して散らすという気の遠くなるような絵付けを施しています。
なお、マイセンブーケにはあまり知られていませんが、その絵付け方に極めて厳格な細則があります。
ご興味がある方はこちらに記事がありますのでご覧ください。
Gカンテは欧州では花用カンテともいわれ、その大半は花絵付けに用いられる金彩で、代表的な組み合わせは旧画法(マルコリーニ)ブーケ、セピアブーケと本作であるスキャッタードブーケです。
ともに超高額作品であることは言うまでもありませんが、この時代のものはデコの一部と共に本金彩(22金彩)をふんだんに用いているのが特徴で、稀に市場に出ると極めて高額な取引がなされています。
アンティークマイセン好きには堪らない作品です。
ご期待ください。