マイセン磁器創立頃から存在する最古の絵付け「伊万里写し」
その後インドの華や柿右衛門様式として西洋磁器シノワズリカテゴリーとなりましたが、最古の絵付けともいわれる「岩と花鳥紋」が近日入荷いたします。
マイセンの誕生は今から約300年以上前、有田の様式美が欧州の王侯貴族を魅了していた頃です。
自分たちでこれらの磁器を作りたい─そんなザクセン侯アウグスト王らの想いを受け、錬金術師・ベドガーによりマイセン磁器は生まれます。
彼らが好んで模したのは柿右衛門様式に見られる余白や非対称の美を感じる東洋的な文様。有田焼が与えた衝撃の大きさを物語ります。こうした有田焼の模倣をしたことがマイセン磁器誕生の核となっています。
当時、西洋においては日本と中国の文化的違いを理解するものは少なく、今でいうアジア圏の文化を東洋趣味、後にシノワズリーとしてマイセン磁器を代表するカテゴリーと成長しました。
時代が進むにつれ、アジア国々の文化の違いも理解させるようになり、とりわけ日本様式”ジャポニズム”はマイセン磁器シノワズリ(東洋趣味)の中でも別格とされました。
今回入荷作品はアジアが一つの文化と思われていた推定1700年代後期、いわゆるマルコリーニ期の初期にあたる伊万里(柿右衛門写し)の作品です。
知らない人が見たら、ただの古ぼけたカップにしか見えません。
と言うより、本作をご理解いただける方は玄人もしくはかなりのマニアかと思います。
カップ底面にはこの時代の証明でもあるマルコリーニの星と、何より神々しい窯傷が存在いたします。
1700年初期から伝わるマイセン磁器の最古典絵付けです。
乞うご期待
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